耳という器官は2つの重要な機能、
音の感知と平衡感覚を担っている。
すなわち、外耳、中耳、内耳の蝸牛は聴覚に関係しており、三半規管、
卵形嚢・球形嚢は平衡感覚に関係している。
では以降、耳の構造とそれぞれの機能について簡単な解説をしよう。
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目次:
9.1.1 耳の構造
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耳は音を聞く器官であるとともに、平衡感覚
を司る器官でもある。
耳は構造的に、
にわけられる。
外耳は、
耳介(耳たぶ)と外耳道からなる。耳の主要部である中耳と
内耳は、頭
蓋骨内に納まっている。中耳は耳小骨という三つの骨と、
耳管という鼻の奥と
耳をつなぐ管とからなる。内耳には渦巻形をした
蝸牛と、平衡感覚を司る半規管と前庭がある。
耳に入ってきた音波は外耳道を通り抜けて鼓膜を震わせ、その振動が耳小骨を
介して蝸牛に伝えられる。蝸牛に伝わった振動は、無数の微細な毛によって
電気的な神経信号に変えられ、それが脳に伝わり音として認識
される。
9.1.2 内耳の構造
内耳の中には、蝸牛に隣あって半規聴管と耳石器官がある。
蝸牛は
聴覚
に関する重要な器官はであり、ヒトでは、蝸牛軸の回りを回る
2.5回転よりなる。
蝸牛管の中にはコルチ器官があり、これは強靭な結合組織
の基底膜の上
に載っている。この膜は、骨ラセン板から反対側の壁にまで達している。
蝸牛管の中には内リンパが入っている。蝸牛管の上下には、前庭階と鼓室階の外
リンパが接している。コルチ器の中には、およそ16、000個の感覚毛をもった
聴細胞が入っている。
半規管は
平衡に
関する重要な器官であり、
半規管膨大部は
回転などの動きを
平衡斑
が傾きと直線的な動きを関知する。
膜性半規管と耳石器官は内部をリンパ液でみたされたチューブ状の器官で、
同じくリンパ液でみたされ、同様の形をした骨性の容器、骨迷路におさまっている。
9.2 音の伝わり方
外耳道から伝わってきた空気振動は、外耳と中耳の間の鼓膜を振動させる。
鼓膜は凹面を外耳道の出口のほうに向けて円錐形に張られた薄い膜である。
鼓膜の中心につち骨の柄がついている。つち骨・きぬた骨・あぶみ骨の三耳小骨の
うち前二者は鼓膜の振動を拡大してあぶみ骨に伝える。
このあと振動は、内耳の前庭窓の膜→蝸牛
内部を満たすリンパ液→蝸牛中央の
基底膜と伝わり、基底膜の上に乗っている
コルチ器の有毛細胞で電気信号に
変えられる。そして聴神経により大脳の聴覚中枢に伝えられ、音としての感覚が
できる。
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内リンパに生じた一定の振動数の振動は、基底板のある特定の部分を動かす
ことがいろいろの事実から証明されている。この一定の振動数の振動に対して、
基底板上の限局した一部分を中心とするある幅をもった場所(分節)が振動する
ことがわかる。これを場所説という。すなわち音の高さの相異は基底板の刺激
される場所の違いを生ずることになる。また音の強さは蝸牛神経のインパルス
の頻度に違いを生ずる。
9.3.0 平衡感覚
内耳のなかの蝸牛に隣りあって
半規管
と耳石器官がある。半規管は
それぞれ直角に交わる3つの半円形の管からできている。頭を回転させると
半規管
のなかのリンパ液に流れが生じ、半規管
の膨大部にある有毛細胞の感覚毛を動か
して、回転加速度についての信号を前庭神経に伝える。これによって
体の回転を認識する回転覚がはたらく。
平衡斑は、耳石器官の
球形嚢と卵形嚢にそれぞれある。平衡砂を含んだゼラチン
質の膜でおおわれ、そのなかに有毛細胞の感覚毛が埋まっている。この感覚毛
の受ける力の変化から頭への重力および直線加速度を感じとる。これによって
体の傾きと直線的な動きを感知する平衡覚が
はたらく。

9.3.1 回転覚
半規管の膨大部の感覚細胞は膠様帽(膨大部頂)を載せ、その中に感覚毛(平衡毛)
が入っている。回転速度が変化する際に、内リンパに流れが起こり、その帽
(膨大部頂)は側方に傾けられる。このとき感覚毛に変化が伝えられ、
膠様帽の有毛細胞が感覚毛の変化に応じて興奮するのである。
感覚毛の列は、それに応
じた神経インパルス
を生ずる。外リンパ隙は液体の支持層をつくる。また、三つの半規管は
それぞれ互いに直角に位置し、全ての方向の回転運動を区別できるのである。
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9.3.2 平衡覚
卵形嚢および球形嚢の中にある感覚視野は、空間の3つの主平面の中にあり、
かつ、直線の中を走行している速度の変化に反応する。それぞれの平衡斑は、
感覚細胞からなり、この細胞に感覚毛(平衡毛)の長い冠毛と膠様の蓋板がある。
この蓋板は平衡砂膜と呼ばれ、その中には小さい平衡砂が入れられ
ている。速度の変化によって、この平衡砂膜は、感覚毛を引っ張るか、
あるいは、それらの上から押しつけることになり、このことによって神経
インパルス
が生じる。また、この前庭器を破壊すると動物は直進運動が
できなくなり、円を描くように回転運動
をしてしまうのである。
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